蟹工船・党生活者 (新潮文庫)小林多喜二 ¥ 420 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★ |
蟹工船・党生活者 (新潮文... | |
| 文学としてだけでなく、当時の政治的そして社会的環境下で こういった作品を発表する作者の気概にはすばらしいものがある。 内容も閉鎖感やそれに抗おうとする労働者の力が 非常に生々しく感じられる。 現代の日本は当時と違い経済的に恵まれ、政治的に自由で、 むしろ世界中の貧しい国々から続々と出稼ぎに来るような国になり、 やる気になれば自ら「搾取しない派遣会社」を作ることさえ出来る。 しかし多数はそういった事は一切せずに「闘い」「ワープア」「活動家」 などと称して、社会に対して文句を言うばかり。 命を賭して「正しい行動」を訴えた作者がそんな現代にいたなら、 どう思い、どういった作品を書いたのかをむしろ考えさせられた。蟹工船という単品作品が一年以上もブームになっていることは、この作品の圧倒的な力を物語っている。この作品の力とは「真理」である。 働く者たちが報われることがなく、それを食い物にしていることを国家が推し進め、ついには国家が収奪者のためだけに軍隊という最大の暴力組織を動員することもためらわないという現実である。 そのことは今日にいたっても変わるどころか「資本主義の里帰り」と揶揄されるよう... | ||
文庫版 三国志完結セット 全13巻+読本北方謙三 ¥ 8,394 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
文庫版 三国志完結セット ... | |
| 1巻を手に取り、ページを開いた。「草原が燃えていた。」冒頭の文章から、見たこともないのに私の頭の中には鮮明な映像が描かれていました。最初は狭い範囲の映像が読み進むうちに広大な大地の映像に切り替わっていく・・・。今までにない経験でした。三国志に関しては、何の事前知識もないまま「ただ長編の物語が読みたい」という動機で、読めるのかな?との不安も持ちつつ、いきなり13巻を購入しました。女性の私でも登場人物の人間描写には「義」という芯を強く感じたし、その価値観の相違によって生まれる「生き様、死に様」のもどかしさも十分に体験できました。涙したシーンは数知れず・・。すべて読み終えたのち、次はいつから読み始めようか?と思える大切な宝物になりました。三国志演義を基にした吉川三国志と比べると、やはり正史が基の北方三国志はストーリーとしては盛り上がりに欠ける。 だが個々の人物描写を詳しく描くことで、戦闘シーンや英傑達の姿が頭の中に映像としてはっきりと浮かんでくる。 吉川三国志が好きな自分としては、序盤は物足りなさを感じつつ読み進めていた(描写がしっかりしているだけに、その人物の心の奥の想いを想像して心に... | ||
楊令伝 七北方謙三 ¥ 1,680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
楊令伝 七 | |
| 男同士の絆を描いた北方水滸伝と楊令伝。 その男同士の絆の中で最も固い絆とは、、、 それは父と息子の絆なのでしょう。 呼延灼と穆凌の父子の絆、そして楊令と父、楊志。 と息子の絆にはうわべの言葉はいりません。 戦う父の姿と死にゆく父みつめる息子のシーンは本当に感動します。 自分にも息子がいるからこそ感じることができる感動があります。 梁山泊軍V.S.宋禁軍の全面対決が始まります。 終わるのは宋という国の形なのか、童貫率いる宋禁軍なのか、あるいは梁山泊なのか。 どうあっても決着しないでは終われない局面に入ります。 宋の崩壊という史実はさておき、水滸伝以来延々と繰り広げられた叙事詩に北方先生はどう幕を引いていくのでしょうね。 水滸伝の切り口ではありますが、本巻では特に「父子」の絆が重要なテーマとして意図的に表現されている気がします。 この巻では 呼延灼-穆(呼延)凌 楊志(秦明・王進)-楊令 が若干の不安要素もあわせて非常に大きく描かれていますし、これまでの描写の中でも 童貫-岳飛 花栄父子 候健父子 カク思文父子 張横父子 盧俊義-燕青の関係も父子であろうし。 蔡福-蔡豹も。 DNA上の... | ||
息の発見五木寛之 玄侑宗久 ¥ 1,470 通常24時間以内に発送 |
息の発見 | |
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風雲への序章―グイン・サーガ〈123〉 (ハヤカワ文庫JA)栗本薫 ¥ 567 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
風雲への序章―グイン・サー... | |
| 風雲への序章・・・「序章」って。 作者の思惑通り三国志状態に至るには、少なくともゴーラの軍事力がケイロニアに比肩あるいは凌駕しなければなりませんが、戦争ばかりしている新興国と才気溢れた諸侯が揃い、国力の充実したケイロニアとでは、彼我の戦力差が簡単に縮まるとは思えませんし、他にも張り巡らされた様々な伏線が収斂し、納得のいく結末を迎え、更におそらくは記憶の修正されたグインが真の記憶を取り戻し、アウラと対峙するまでに、どれだけの巻数を必要とするのでしょう? 数ページに及ぶ独白めいた膨大な台詞と緻密な情景描写の現在の筆致では、例え病気が寛解し、あと数十年今のペースで書き続けても、結末を迎えられるとは思えません。作者は生きた証を残すためだけにこれからも筆を動かし、結末を書くことを放棄されたのでしょうか? 改訂前一巻からの読者ですが、グインがより実質的な王となった今回が、自分にとっての結末となりそうです。今までありがとう、グインサーガ。とりあえず、タイトルは酷いだろう。『風雲へ』はいい。だが、123巻にして、『序章』はねえだろぉぉぉぉぉ!次の巻への序章なんだろうけどさぁ、でも、あとがき読むとこれ... | ||
氷川清話 (講談社学術文庫)勝海舟 ¥ 1,050 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
氷川清話 (講談社学術文庫) | |
| 勝を嫌う人間は大抵が小説家の勝観が元であることが多い。 曰く、近藤勇を見捨て、会津を見捨てた男ということらしい。だが、勝を嫌う前に勝の置かれ た立場を考えるのが先決であろう。 ある意味勝の放言ばかりであるが、それだけではない勝自身の反戦観が書かれており 日清戦争を「兄弟喧嘩」という例えは優れているかもしれない。 言いたい放題言いまくった勝ではあるが、的を外さず厳しい警告は現代に相通じるものが あるのかもしれない。 勝海舟は幕末を30年生きた。自分を殺しにわざわざ自宅に来た竜馬を海外に目を向けさせ、西郷と談判して無血開城させ、大久保に東京の繁栄をたのんだ。 幕末から明治の生き証人は、維新後30年して、徳川慶喜を明治天皇に会わせることによって仕事に締めくくりをつけた。 本書は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」などを読んでおくと、人物評伝等はとても興味深く読めることでしょう。また、今日の政治のあり方や当時の時勢を知る資料ともなるでしょう。 しかし、今の時勢にこういう人はいない。貧乏は30まで続いて庶民の気持ちもよく分かるようだし、剣術・禅の稽古で胆力を鍛えたようだし、学問も「活(いき)(学... | ||
こころの処方箋 (新潮文庫)河合隼雄 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころの処方箋 (新潮文庫) | |
| ユング研究の第一人者で臨床心理学者の河合隼雄先生の書かれた「心の処方箋」その名前の通り、心に沁みる言葉でいっぱいです。 私は本を読むときボールペンで線を引きながら読むのですが、この本は線を引くところが他の本に比べてすごく多いです。 質の高い良い文章で大半が構成されていて、線を引かない部分を探すのが難しい章もあります。 読む人によって印象に残るところは違いと思いますが、困ったときに読めばきっと心の処方箋になると思います。 私が感動を受けたのは他にもありますが、読むときの自分の気持ちで感じ方も違うので手元において何回も読み直したいと思います。各章の題の中にある「人間理解は命がけの仕事である」であるとか「理解ある親をもつ子はたまらない」であるとか、これまである種逸脱した心をもった患者との修羅場をくぐり抜ける経験から、あるいはそうだったからこそなのか、文章の中に滲み出る人間に対する優しいまなざしに、静かな感動を覚える。「人の心など分かるはずがない」であるとか「心配も苦しみも楽しみのうち」であるとか、我々が普段頭で考えていることと、実際に感じていることの差異を明らかにしてくれる... | ||
三国志〈3の巻〉玄戈の星 (時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
三国志〈3の巻〉玄戈の星 ... | |
| 13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。 北方三国志の大きな魅力の一つである呂布... | ||
こころと脳の対話河合隼雄 茂木健一郎 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころと脳の対話 | |
| 臨床心理学者の河合氏と脳科学者の茂木氏が、それぞれの専門である「こころ」と「脳」についての3回の対談をまとめた一冊です。 河合さんの考えは、従来の研究者らしくありません。 「全体を認識することが大事であって、解釈する必要はない」と言います。クオリア(感覚質)をライフワークとする茂木さんと、対談の冒頭から意気投合するのは、必然のなりゆきでした。 あの自信たっぷりの茂木さんが「河合先生の言葉、宝石のようです」と感嘆してしまいました。こんな茂木健一郎、見たことありません。 本書の内容は、2006年に月刊誌に掲載されたものをまとめたものです。 対談が2年前に終わっているのに、なぜこんなに出版まで間があいてしまったのでしょうか。せちがらい今の出版界事情では、次々と新刊を繰り出さなければやっていけないはずです。 詳しい事情はわかりません。 河合さんの遺族に配慮したのかもしれませんし、単に編集担当者の怠慢だった(笑)のかもしれません。 読み終わって私が感じたのは、河合さんが治療と研究に取り組んでいる姿が、目に浮かぶように生き生きとじられたことです。 もし、河合さんが亡く... | ||
魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC)京極夏彦 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
魍魎の匣 1 (1) (怪... | |
| 京極夏彦の作品を漫画化したものとしては他に『巷説百物語』、『ルー・ガルー』を知っていますが失礼ながらこの作品ほどの完成度(再現度)はないように感じます。 この作品は、絵の完成度もさることながら、小説独特の心理描写をよく絵に表わしていると思います。(例えば木場刑事の心理状態を表すのに使われた『箱』の描写は巧みでした) 原作ファンにも必見です。 私は両作家さんとも初めましてだったのですが、 ストーリー展開も描写もリアルで、ホラーであの作風の画はほんとに怖いです。 絵柄が受け付けない、と言うのでなければ読んでてのめり込める作品なんでしょうが、 正直私はちょっと苦手です。 でもこの先の展開が気になって、次巻の購入を悩んでいます。 だって、表紙の彼が最後1ページしか出てこない。しかもセリフもない。 とりあえず、しばらく様子をみようと思います。あまりにも素晴らしいコミック化。 作者の愛情と画力と構成力と原作の良質さが融合して生まれた傑作と言っても良いでしょう。 まずキャラクターデザインですが、映画版と違い、どのキャラも原作の描写を余すところなく拾い集めて絵にしたような、まさにイメージ通り... | ||
魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC)京極夏彦 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
魍魎の匣 1 (1) (怪... | |
| 京極夏彦の作品を漫画化したものとしては他に『巷説百物語』、『ルー・ガルー』を知っていますが失礼ながらこの作品ほどの完成度(再現度)はないように感じます。 この作品は、絵の完成度もさることながら、小説独特の心理描写をよく絵に表わしていると思います。(例えば木場刑事の心理状態を表すのに使われた『箱』の描写は巧みでした) 原作ファンにも必見です。 私は両作家さんとも初めましてだったのですが、 ストーリー展開も描写もリアルで、ホラーであの作風の画はほんとに怖いです。 絵柄が受け付けない、と言うのでなければ読んでてのめり込める作品なんでしょうが、 正直私はちょっと苦手です。 でもこの先の展開が気になって、次巻の購入を悩んでいます。 だって、表紙の彼が最後1ページしか出てこない。しかもセリフもない。 とりあえず、しばらく様子をみようと思います。あまりにも素晴らしいコミック化。 作者の愛情と画力と構成力と原作の良質さが融合して生まれた傑作と言っても良いでしょう。 まずキャラクターデザインですが、映画版と違い、どのキャラも原作の描写を余すところなく拾い集めて絵にしたような、まさにイメージ通り... | ||
魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)京極夏彦 ¥ 1,090 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
魍魎の匣―文庫版 (講談社... | |
| 京極夏彦2作めにして最高傑作として名高い本作。作中にはさまれる幻想的な「匣の中の娘」女子高生の自殺未遂事件、連続バラバラ殺人事件、戦時中の不気味な研究を続ける医学研究所、匣をあがめる新興宗教など禍々しいが、一見無関係に見える事件が一気に収束してゆくラストが圧巻です.戦後のこの時期に免疫学や遺伝子操作などの言葉自体もありませんし、そういう意味で時代背景と京極堂の説明はやや齟齬がありますが、科学と伝奇ものが絶妙に組み合わされた傑作であることはかわりありません。現代の医学水準で考えれば四肢のない状態で生きていくことも人工臓器、臓器移植などある程度可能な技術です。究極は体のサイボーグ化、脳移植や意識の電脳化などでしょうが、これが本当にヒトといえるのか、元の本人と同一のものなのか、考えさせられます.特に臓器移植に関しては我々はもう一度その是非について考える必要があるのではないでしょうか?猟奇的ミステリ小説の傑作、ぜひご一読されることをお勧めします.“ヤンデレ”多すぎ(笑) すっきりしたとも後味が悪いとも云えない独特の読後感でした。 姑獲鳥の夏よりストーリーの構成は向上していると思います。 ... | ||
三国志〈4の巻〉列肆の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
三国志〈4の巻〉列肆の星 ... | |
| 13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。 予想が外れれば滅び。 しかし、危険な... | ||
三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
三国志〈2の巻〉参旗の星 ... | |
| 13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。 北方三国志の劉備は決して善玉ではあ... | ||
三国志 (5の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
三国志 (5の巻) (ハル... | |
| 13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。 官渡の戦いで袁紹軍を破り、河北四州を手... | ||
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)京極夏彦 ¥ 840 通常3〜4日以内に発送 ★★★★ |
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談... | |
| 内容に深さもあり、謎解きも「なるほどね」と言わされる。序盤の認識論についての議論は、読書慣れしていないと辛いかもしれない。 難しいからと言って逃げずに中盤まで読むことが出来れば、最後までは一直線の流れにのって楽しむことが出来る。 読み切るのに、だいたい6〜8時間は必要かなと思います。京極夏彦というと「妖怪」とか「おどろおどろしい」というイメージがあり、さけていましたが、あにはからんや「妖怪」はあくまで象徴的な存在であり、京極堂はあくまで、論理的に事件にいどみます。時代が昭和中期、戦後間もない時期ということ、また内容が結構陰惨なことから、横溝正史を連想させますが、妖怪のなりたちや歴史、史実など膨大な知識をベースに事件に挑むミステリ小説です。文系、森博嗣というかんじでしょうか。その厚さ故、レンガ本などと称されますが、ウンチク部分が多い分さほど苦もなく読めます。姑獲鳥の夏は、20ヶ月出産しない女性とその夫の失踪をあつかった事件ですが、事件のトリックは割とかんたんにわかります.とにかく京極堂のウンチクおよび人間そのもののおぞましさを楽しむ小説です。 タイトル通り、本格ものを期待して読んではだ... | ||
三国志〈10の巻〉帝座の星 (時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
三国志〈10の巻〉帝座の星... | |
| 13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。 北方三国志の張飛は、豪胆だけれど、細や... | ||
三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)北方謙三 ¥ 600 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
三国志 (1の巻) (ハル... | |
| 20年以上前に吉川三国志を読んで以来、三国志と名のつくものは結構手にとってきました。 しかしながら、この作品が他の三国志と違うところ、それは抒情詩になっているところ。 三国志は中国最大の叙事詩として知られている作品である。 日本でも人気が高く、漫画、ゲ−ム、アニメなど色々な表現方法で語られつくしている感は否めない。 しかしながら、今回の北方三国志の新鮮なところは、英雄たちの心情描写が物語の主軸におかれているとこれである。その効果は巻を追うごとに作品の中で登場人物のキャラを浮き上がらせ、より強い個性を築き上げている。 特に親殺しの悪名高い呂布の心情表現は斬新で、最大の悪役を英雄に仕立て上げている。 また、劉備や孔明なども、人間として等身大描かれており、孔明が在野でいることの苦悩や、劉備の焦りなど、人としての弱さなども表現されている。 だからこそ、鬼神として描かれている曹操のキャラが際立ち、心理戦としての攻防が躍動的に伝わってくる。 やはり、最低吉川三国志の後に読んで欲しい作品ではありますが、三国志ファンでよかったと思わせる傑作であると確信する。13巻は長かった。1度挫折していたん... | ||
新レインボー小学国語辞典金田一春彦 金田一秀穂 ¥ 2,100 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
新レインボー小学国語辞典 | |
| 語彙数で下村式…とどちらを選ぶか迷いましたが書店で見比べ現物を見て気に入り購入。今年入学する六歳の息子用です。まだ一人では引けませんが、「カリオストロの城」を観て興味を持ち他の辞書には珍しい「伯爵」などが掲載されており大満足。私は「広辞苑」でそれぞれ一緒に引いて楽しんでいます。最初は「レインボー」という「?」なネーミングや、○学館と比べた場合の人気度から手にとることもなかったこの国語辞典ですが、 実際に○学館の国語辞典(某先生推薦)を使ってみてあまりにも調べたい語句が載っていないのが親子共にストレスとなり、その結果こちらの辞典にたどり着きました。 子どもの知的好奇心や学習意欲を満たすために辞書で調べるのに、知りたい・調べたい事柄が載っていない辞書、つまり語彙数の乏しい辞書は致命的です。 また、低学年からの使用を考慮すると、すべての漢字にふり仮名がふってあることは必須です。 以上のことより、この国語辞典は小学校低学年から辞書に親しみたいお子さまに最適だと思います。 小学3年生の子どもが辞書がほしいというので,書店で実際に見比べた結果,本書のほか,光村教育図書の『小学新国語辞典』とベネ... | ||
「あるがまま」を受け入れる技術 (PHP文庫 か 1-2) (PHP文庫)谷川浩司 河合隼雄 ¥ 580 通常24時間以内に発送 |
「あるがまま」を受け入れる... | |
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